『全人的医療を支える 共感的コミュニケーション・NVC』を出版しました。

医療分野におけるNVCの応用とその可能性について紹介する一冊『全人的医療を支える 共感的コミュニケーション・NVC』(原題 “Humanizing Health Care – Creating Cultures of Compassion with Nonviolent Communication” 著 メラニー・シアーズ RN/MBA/PhD、監訳今井麻希子・翻訳 横山彰三)がNVC大学出版から出版されました。

生命への奉仕に情熱を燃やしながら、多忙さや高いプレッシ ャーの中でこころにゆとりを持つことができず、人間関係がギスギスしてしまう。他者に奉仕しようとするあまりに共感疲労やバーンアウトが起こり、離職率も高い。殺伐とした職場環境の中、事故につながりか ねないミスも起こりうる。緊迫した状況で、心理的安全性を築くこと が難しい…。

本書は米国の看護師である著者メラニー・シアーズが、医療現場に身を置き、こういった葛藤を抱える中でNVCと出会い、その実践が患者さんの治癒や職場の人間関係に大きな影響をもたらしたことの実感から生まれました。

自分の内的反応やその奥にある大切なものを受けとめることで (自己共感)、こころに落ち着きやゆとりを取り戻す。そして、そのよう な寄り添いを他者に広げる(他者共感)。このように感情への理解 (感情的知性)を高めながら、個人の体験に耳を傾けることは、NBM (Narrative Based Medicine: 物語りと対話に基づく医療)の実践においても非常に有効といえるでしょう。何を大事にしたいのか(ニーズ)という価値に意識をむけること。起きた出来事を客観的事実として冷静に受けとめる(観察:解釈と区別)。そして、実現可能な具体的方法をともに見出す提案を差し出す(リクエスト)といった観点は、 医療安全マネジメントにおいても非常に重要です。

この一冊が、人間らしくおもいやりに溢れた医療の現場を「ともに育んでいく」力になればと願っています。

<目次>
第1章  ヘルスケアの危機
第2章  NVC(非暴力コミュニケーション)を理解する
第3章  支配からパートナーシップへ − 医療システムの進化
第4章  診断、分析、決めつけの言語
第5章  パワー・オーバーからパワー・ウィズへ – 精神医学の場合
第6章  思いやり、共感、正直さ : 生命を支えるケアシステムを構築するためのロードマップ

<ご購入>
Kindle版: Amazon のこちらのリンクより
POD(ペーパーバック)版:こちらのリンクより

<出版記念イベント>
6月29日に出版記念イベントを開催します。詳細はこちらをご覧ください。